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The worst choice.2 [暮し・健康]

4月5日 満開のさくらに無情の雨  

点滴の代わりに錠剤がくる。便秘対策薬ももらった。

今日から銀シャリ。うまい! 完食。

ラジオ体操開始。NHKのメロディーを頭の中に流しながら、静かに身体を動かす。後は病棟の長い廊下を歩いて往復。100から3を引いていく頭の体操も加えながら何回も何回も歩く。

看護師から、あんたは偉いよ、病気を治そうという強い意志が目に見えるみたい、と言われてしまった。

3食うまいもの食って、体操をして、ゆっくり休んだ後に絶対に欠かせないのは排泄。服用した便秘薬は効いているのかいないのか。下腹に不快な満腹感。気張ってみたけど出てこない。俺の肛門はどうなっちゃってんの。

4月6日 不慣れな膨満感にめしを食う気も失せて、小さなパックの牛乳だけをご馳走になる。俺がめしを食わんなんて半端な事件やないで。どうなっちゃったの?いったい。思考はゆっくりネガティヴへ。案外弱いのねえ。弱さに耐えながら担当医の回診をじっと待つ。

手術のあとは順調なようだけど、うんこが出ないんだ。中で固まっちゃったんかな。あとで看護師さんに掘ってもらいましょう。(?)今日の担当看護師はお気に入りの熱田さん。微妙やなあー。あんないい子にけつの穴を掘ってもらうの?

たまたまやって来た熱田さんにその旨を告げると、いいわよ掘ったげる。私、うまいんだから。と、指でホジホジする仕草。血圧が上がりそうだよ、ぼく。でもドクターの指示があればですけどね,と彼女。

11:30 担当医がやって来る。曰く、私が見てみましょう。(?)ま、ええけど、、、、、。

いきなり、ぐさーっと来た。それは地獄の焼け火箸。ちょっ、ちょっ、ちょっと待ってよお兄さん。も少し優しくでけへんか。いや、優しくやられていたら、俺はベッドから逃げていただろう。あの一瞬の激痛でよかったんだ。

ドクターはしばらく私の肛門を弄んだ(?)あと、指の先に糞塊を載せて私に見せた。閉塞はないようですねえ。固まっていたのでほぐしておきました。後でトイレに行ってください、出ると思いますので。糞塊を見せることで、私の肛門は大腸にちゃんとつながっているよ、と言いたかったのでしょう。

       IMG_尻.jpg

腹圧を強めるために、食いたくもない昼食を平らげる。

ほぐしてもらった固まりをひり出すためにトイレに行く。これは地獄の焼け火箸より、もっとえげつない。肛門から脳天へ突き抜ける火炎放射器の直射であった。

腹圧に押されて出そうなんだが、痛みがそれを許さない。自分の身体の中で、全く反対のことをやってんだもの。思うようにいく訳がない。 

トイレに通うこと3回め。隣のブースから悲痛なしのび声が聞こえてくる。それは私が出す声と同じだった。火炎放射器でけつを焼かれている人の叫び。俺だけやない。私は肛門も裂けよとばかりに圧をかける。手術したばかりの肛門を裂いてどうすんの。

とりあえず、出た。術後最初の脱糞。俺は殆ど泣いていたね。破瓜の辛さか。でもその後は案外ケロリ。喉元過ぎたら、即忘却。結構便利に出来てんだわ。でなきゃ女はやってられないよね。

4月7日 城山公園さくら満開を保持。

5回トイレに行ってその都度激痛の嵐。何とか目標は達成したが、便秘薬を如何に調節して排便痛を減らすか、この一件だけに思考を集めて一日が過ぎる。朝から晩まで頭の中はうんこのことでいっぱい。

夜中、トイレに起きると、大勢の警察官が何かを探していた。いったい何があったんだろう。

明日につづきます。長くてごめん。 

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