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どこかで春が [菜園]

小学校2年生になって、担任の荻野先生は、私を級長に任命した。私のどこが気に入ったのか、私のどこに資質を見たのか、私には分からない。ただ私の母親は大喜びであった。
その年の学芸会で、私は荻野先生から独唱を命ぜられた。曲名は どこかで春が であった。

どこかで春が生まれてる
どこかで水が流れ出す
どこかでひばりが鳴いている
どこかで芽の出る音がする
山の3月こち吹いて
どこかで春が生まれてる

歌が下手ではなかった私は、大きく面取りした白くて四角いマイクロフォンに向かって、教わったとおりに歌い終える。毎年春が近づくと、この歌は、あの晴れがましい舞台の思い出とともに、私の脳裏によみがえる。

立春を含めた4日間、ぴったりのタイミングで暖かい日が続いている。まるで春が来たみたい。
ひよどりにまるかじりにされた、奥さんの小松菜が、葉っぱもないままに花を付けた。
きれいでないとは言いません。でも、何か業のようなものを感じてしまうんです。

IMG_2307.jpg

近くにある、何処かのおじさんの菜園に植えられている紅梅もこのとおり。
カメラが上等なので、私の腕ではこれくらいが関の山ですけど。

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あのちっとも可愛くないひよどりに喰い散らかされた大根と赤カブ、さっき全部引っこ抜いてやりました。奴らもこの寒さで食い物が不足しているのは、充分理解しているのですが、ほんとうに悪賢いひよどりなんです。私の方が完全に負けている。カラスの方がまだましってもんだ。カラスは追えばすぐ逃げますが、ひよどりはこちらを振り向いてじっと様子を見るだけで、なかなか逃げないのです。可愛い鳥なら、はい、召し上がれ、と差し出すんですがね。葉っぱは大部分食い取られてしまっていますが、美味しそうでしょう?

IMG_2310.jpg

餌を減らされたのを知って、あのクソ野郎、ろくな人間やない、と思っているだろうなあ。私はそんなそしりを受け流し、彼らの食べ残しをきれいに洗ってスープで食べる。これが本当に美味いんです。きっとこの寒さのせいだと思うんですが、喰い散らかされた葉っぱに、いい味がついているのです。傍から見れば、あんなになったものまで食べるの? と言いたいでしょうが、この味はスーパーには置いてない。でも今年はこれでお終い。
今夜は雪になるそうです。
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jane

hirochikiさん
nice!ありがとうございます。
by jane (2013-02-07 19:13) 

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