SSブログ

奥さんの左足 [暮し・健康]

2013年1月12日夕方。 埼玉に里帰りしていた奥さんが、軽いびっこを引きながら帰ってきました。両手に荷物をぶらさげて歩いてて、某駅で通路のちょっとした段差につまずき、転倒したらしい。提げていた荷物を放り出して、両手で上半身を支えたお蔭で、顔は路面に激突しなくてすんだようだが、弾みで左足の踝辺りを縁石に打ちつけた。

痛みで身動き出来なかった彼女に、手を差し伸べる人は残念ながら一人も居なかったそうです。冷たい世の中になったものですなあ。変に仏心を出して、面倒に巻き込まれるのは嫌だし、下手すりゃ悪者視されかねない、という風潮が世の人全員の頭を偏らせてしまっているのだ。

ぼくの奥さんは、這いつくばりながら吹っ飛んでいた荷物を拾い集め、たまたま傍にあったベンチで烈しい痛みが去るのを待ったという。可哀そうに、、、、。

もし私がそういう場面に出くわしたら、相手がどんな人であろうとも、声くらいはかけるだろう。深入りは出来ないにしても、荷物を集めてあげ、ベンチに座り込むまでくらいは、手を貸していただろう。絶対にそうありたいと、常々強く思っている。

その少し前、買い物に出かけていた奥さんは、或コンビニの前に、無料配布の食器が出ているのを見つけ、かねがね欲しいと思っていたサイズの皿を2枚頂いたそうだ。正月早々いつにない幸運だったと彼女は大喜び。こいつは春から縁起がいいわってね。

転倒の瞬間、吹っ飛んでいく荷物を目で追いながら、〈あっ、あの皿!〉と思ったという。
スローモーションで飛んでいく荷物と、それをじっと見つめる彼女の映像が目に浮かぶようです。幸いにも皿は無事でしたが、足を痛くしてしまった。何が幸運だったのか。

激痛が去って、なんとか歩けるようになった彼女は、ちんばを引きながら帰って来たというわけです。足はかなり脹れていました。様子を見て、悪くなるようなら病院へ行こうなって話しておりました。「痛みは軽くなったし、歩けるくらいだから、大丈夫だわ、きっと」
と、湿布を施し、鎮痛消炎剤を服用して休む。

翌日朝。彼女の左足首は、膨張も限界かとおぼしきほどに脹れ上がっておりました。痛みは見た目ほどではなく、歩行にも問題はない。「ひどい怪我ならもっと痛むはずだよね。あいにく、今日は日曜日だし、明日は成人の日。病院も連休でしょうから、安静にして様子を見るわ」

翌日、成人の日。脹れはかなり治まって、彼女は平気で歩いている。大丈夫だ、こりゃあ。

1月15日。脹れはすっかり引いている。意識して見ないと分からないほどに。奥さんはメタボの血液検査を受ける時期になっていたので、ついでに足も診てもらおうか、と病院へ行く。

彼女はレントゲン写真と紹介状をもらって出てきた。骨に異常があるから、大病院で精密検査を受けるように、ということらしい。即、そちらへ移動する。

完全な骨折であった。幸いにも骨折した部分は靭帯が骨と繋がっているところで、靭帯がしっかりしているため、痛みも少ないし歩行に支障もない、らしい。骨折しているのに包帯もギブスも不要だという。

これが幸運でなくて、何だと言うの!

以上は昨年の一月に拙ブログにアップした能天気な一文です。
あれからちょうど丸一年。
「去年は正月早々痛い目にあったから、今年はそんなことのないように気をつけなくちゃ」
と、話していた正しくその時期に、奥さんが左膝の痛みを訴え始めました。

痛みは日増しに強くなり、家の中でも杖なしには歩けなくなる。
それでも3ヶ月くらい、あーでもないこーでもない、と言いながら痛みに耐えた後、病院へ。
医者の見立ては、お馴染みの変形性膝関節症でした。
ヒアルロン酸を2週間に一回注入しながら様子を見よう、となりました。

かなりの長期戦になりそうでした。
もっと早く痛みから解放される方法はないのか。
整形外科分野では以前から定評がある医院へ相談にいきました。
その医院では1週間に1回注射ができるので、それだけ早い効果が期待できる、と言う。
もちろん、すぐに乗り換えました。

一方で私は、彼女を週2回プールに連れていって水中歩行訓練をやらせました。
水中での運動はこの種の疾患に大変有効であると聞いていたからです。
彼女がプールにいる間、私は近くにある場外馬券売り場で時間を潰す、という好都合。

こうして2ヶ月間、医師が彼女に言いました。
「これで6回目ですが、効果が見られないのはちょっと普通ではないですなあ。
この程度の関節の状態なら、大体4・5回の注射で痛みが消えて、うちに来なくなるんですよ。
MRIで検査をやり直してみることをお勧めします」

どきり!
レポートを書いてもらって、変形性膝関節症であると診断した病院へ戻り、MRIで再検査。
何と!単なる変形性膝関節症ではなく膝の骨の一部が壊死を起こしているという。

私の脳裏をかすめたのは、昨年正月の奥さんの怪我でした。
あの日の転倒は、足の甲の骨を折っただけではなく、膝関節にもダメージを与えていた。
それを放置した結果、一年かけて骨の壊死が起きた。(私の想像ですがね)

出来るだけ早く手術して、人工関節にするのがベストだと。
簡単に言うけど、骨の一部を金属に取り換えるんですよ。
それ以外に痛みを止める方法がないのなら、1日も早くやってもらおうと結論。
6月2日に奥さんはサイボーグ(?)になりました。

IMG_2174.jpg
          IMG_2172.jpg

彼女はあの歳で驚異的な回復を見せ、2週間で杖なしで歩くようになり、16日目に退院した。
プールでの筋トレは無駄ではなかったのです。
さすがに、当初は違和感が大きかったようで、いつも膝を気にしておりました。
私が足に触ると悲鳴をあげるほどだったのですが、3ヶ月半経った今、何不自由なく暮らしています。
只一つ、正座は禁止されていますけど。

膝の痛みに耐えている、特にご婦人は大勢居られるように見受けます。
医師から人工関節を勧められている方、躊躇は無用です。
一日も早く痛みから解放されて、軽快な歩行を楽しみましょう。

nice!(9)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 9

コメント 2

ぼくあずさ

奥様が大けがをされ、人工関節で杖なし歩行が可能に
なった由、他人事とは思えません。無理をされませんように。
by ぼくあずさ (2014-09-13 00:56) 

jane

ぼくあずささん
niceとコメントありがとうございます。
無理をしないようにと、奥さんに伝えておきました。
深謝。
by jane (2014-09-13 19:20) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。